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ライター大曲智子のお仕事とときどきフリートーク。ご相談やご連絡、記事のご感想などは→detroit_8000@hotmail.com

初めて物語のプロットを書いたこと

4月のことですが、アニメ評論家の藤津亮太さんが毎月開催されている「アニメを読む」講座に、久しぶりに参加してきました。おそらくこれで3回目の参加。藤津さんにはいつも公私ともにお世話になっており、私にアニメや声優関連のお仕事が増えたのも、藤津さんが各方面にご紹介してくださっていることが大きいです。

とはいえ久しぶりにこの講座に参加したのは、ちょっとした理由がありました。私は日頃、雑誌やwebで、有名人の方にインタビューをし、それをまとめるというのが仕事の大半を占めています。あらゆる方にお話を聞くのは刺激的で、普通なら簡単には聞けないようなお話を聞かせていただくことにとても喜びを感じているのですが、作業的にはどうしてもルーティンになりがち。他人の言葉を読者に伝えるためのものであり、自分の言葉を書くことは少ないため、「書く」ことに楽しさを感じなくなりつつあったのです。

「書く」といってもいろんなやり方がある。闇雲でもいいから模索してみようと、まずは私が普段から仕事の中でよく触れる、「シナリオ」の書き方を学んでみようと思いました(ライターは映像ができていない段階で取材することも少なくないため、映画、ドラマ、アニメなどの台本を読む機会が多いのです)。そんな時にちょうど、藤津さんの講座で「脚本のできるまで〜脚本を書いてみよう」というテーマの回が開かれることを知り、しかもあの大河内一楼さん(『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『DEVILMAN crybaby』など多くの名アニメでおなじみの超凄腕脚本家様)が特別講師として指導してくださるということで、思いきって参加してきました。

ここで参加者たちは、出されたお題をもとにアニメのプロットを書くことになりました。「アニメで言うと10〜15分ぐらいの尺と考えて」という大河内さんのアドバイスをもとに、私も初めて物語のプロットに挑戦しました。制限時間は約1時間。ちなみに私、小説やシナリオなど創作の経験は皆無です。

というわけで、私が書いたものをここに載せてみようと思います。脚本ではなくプロットなので、誰が読んでも状況と方向性を想像しやすいように注意しながら書いたつもりです。実際の制作現場では、監督やプロデューサーなどから修正希望が入り、どんどんと変わっていくので、ハートが強くないとできない仕事だそう(笑)。

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詳細は避けますが、そこで出されたお題は「登場人物」「場所」「動き」などの指定がありました。登場人物たちが何のために出会って、何をし、最後どうなるかまでを考えるというわけです。私はというと、主人公の少年は「成績がよく、二枚目で、側から見ると人生楽勝な高校生。だけど本人には音楽という夢があり、周りから反対されるのをわかっているため悩んでいる」という設定にしました。ありがちといえばありがちですが、その方がいいかなと。そして最後に現れる少女が(登場時間にすればほんのわずかなのですが)少年に大きな言葉を残す重要人物です。彼女は少し未来からタイムスリップしてきた人で、どうしても少年にそれを伝えたかった。ここから、彼女は彼にしか見えない存在で、背中を押す自分自身という見方もできると思います。

私のここ数ヶ月の個人的な体験から着想して、思いついてからは一気に書き上げることができました。未熟な出来ですし、脚本、プロットというよりも、ショートショートに近くなってしまったかもしれないですが、書いたことでの達成感があったことに、何より満足しています。これからもいろんな「書く」にチャレンジしていきたいです。